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『男女の生み分けや男女比関係』

『男女の生み分けや男女比関係』

 


大変興味深い論文が発表されましたので、ご紹介致します。

この論文は、顕微授精は体外受精より女児が多くなり、

胚盤胞は男児が多くなることを示しています。

Fertil Steril 2014; 101: 1321(イギリス)

2000~2010年に英国で妊娠治療を行い出産した106,066名の赤ちゃんとその性別を治療法別に検討しました

(38歳未満の方が約80%、国の人口動態調査を使用)。

男児の確率は
体外受精52.05%

顕微授精49.28%

であり、顕微授精で有意に低くなっていました。

なお、英国全体での男児の確率は51.27%であり、人工授精の男女比と同等です。

体外受精と人工授精の男女比にも有意差を認めませんでした。

また、体外受精でも顕微授精でも、胚盤胞では男児の確率が分割胚より6%高くなっていました。

考察

本論文では、体外受精、人工授精、一般集団の男女比は同じですが、顕微授精では女児が多くなっています。

この理由は推測の域を出ませんが、次のような考え方ができるかもしれません。

体外受精、人工授精、一般集団では、精子は競争の結果卵子へ侵入し受精が成立しますが、顕微授精では精子の選別がなされています。

 

つまり、精子選別におけるバイアスがかかることになります。

顕微授精を行う方の多くは男性不妊ですから、もしかするとY精子(男児になる精子)の能力が低いから、

それを培養士さんは選ばないのかもしれません。

 

しかし、男性因子のない方でも顕微授精ではX精子(女児になる精子)を選ぶ確率が高いという報告もあります。

一連の顕微授精の過程の中で、X精子を選びやすい環境になっているのかもしれません。

また、本論文にある「胚盤胞では男児の確率が分割胚より高い」ことに関して、男の子の胚が成長速度が速いことは、

多くの研究で知られています。

この理由については、次第に明らかになってきました。

女児には2本、男児には1本のX染色体があります。

女児の2本目のX染色体は桑実胚までは活性が残されており、その後不活化されることが明らかとなりました。

X染色体にはG6PD酵素(糖代謝酵素)とHPRT酵素(抗酸化酵素)が存在しますので、糖を沢山取り込み、酸化ストレスを解消する作用が強くなります。

受精卵(胚)では酸化ストレスが胚へのダメージとなるだけではなく、胚の成長を促進する方向に働いています。

 

したがって、2本のX染色体が存在する女の子の胚は成長が遅くなるというわけです。
世界中でこれまでに500万人以上の体外受精•顕微授精による児が誕生していますが、英国でも日本でも体外受精•顕微授精による出産は、

出生全体の2~3%程度です。

今後さらに体外受精•顕微授精による出産件数が増加した場合には男女比の変化がより大きくなる可能性があると考えられます。

 

多胎妊娠を防ぐため、現在の世界的な流れは単一胚移植ですが、1個の胚移植でより妊娠率を高くするために胚盤胞移植が行われることが多くなっています。

体外受精•顕微授精を受ける方がさらに増え、単一胚盤胞移植が優先的に行われるとすれば、男児の出産がどんどん多くなる可能性があります。

 

 

 

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