【病院で出るお薬の解説 フェマーラ】
フェマーラ
フェマーラは別名レトロゾールとも呼ばれており、すでに世界90カ国以上で発売されています。
フェマーラは、アロマターゼ(エストロゲンを作る酵素の名称)の活性を阻害することにより、
女性ホルモンの一種であるエストロゲン(卵胞ホルモン)をつくる働きを抑える作用があります。(女性ホルモン合成阻害剤)
この結果卵胞のホルモン感受性が亢進し、少量のFSH(卵胞刺激ホルモン)でも発育を続けるようになります。
しかし、フェマーラ自身には卵巣刺激作用がありませんから、発育する卵胞数が増加することはありません。
通常、閉経後の乳癌の治療に用いられます。
不妊治療においては、排卵誘発剤として使われているお薬です。
しかも、頚管粘液が少なくなったり、内膜が薄くなったりするクロミッドのような副作用はほとんどありません。
多嚢胞性卵巣の方に、このフェマーラを使用して効果をあげている報告が多くあります。
不妊目的だと保険が適用になっていません。
現在はエストロゲンを抑える働きが「乳癌」に効果的ということで、
保険適応上は「閉経後乳癌」と限られています。
フェマーラの主な副作用として、
身体や顔の火照り、頭痛、関節痛、吐き気、発疹、かゆみ、眩暈などが報告されています。
子宮内膜に副作用が出ないので新鮮胚移植に向いています。