日本産婦人科学会の新型コロナワクチン接種に対する指針が2021/05/21に大きく変更されたので書きたいと思います。
『新型コロナワクチン接種 妊娠中、妊娠を希望する人が受けてもいいですか?≪更新≫』 (2021/05/12)
新型コロナワクチンの流行が益々拡大する中、日本でも2020年 2月から新型コロナワクチン接種が始まり、医療従事者、重症化リスクの高い⾼高齢者が優先的に接種後、今後は希望する全ての方に本格的に接種が始まります。
患者様からも「新型コロナワクチンを接種しても大丈夫ですか?」というお問い合わせを多くいただいています。
2021年5月12日に日本産科婦人科感染症学会、日本産科婦人科学会より海外での安全性に関する最新の知見をふまえて見解が更新され、
「現時点では世界的に接種のメリットがリスクを上回る」
との今までとは正反対の新たな提言が発表されました。
以下に抜粋してお知らせします。
全文のリンクもご参照ください。
1.COVID-19 ワクチンは、現時点で妊婦に対して短期的安全性を示す情報が出つつあるが、中・長期的な副反応や胎児および出生児への安全性に関しては今後の情報収集が必要である。現時点では世界的に接種のメリットがリスクを上回ると考えられる。
2.流行拡大の現状を踏まえて、妊婦をワクチン接種対象から除外しない。 特に人口当たりの感染者が多い地域では積極的な接種を考慮する。
現時点でmRNAワクチンには催奇性や胎児胎盤障害を起こすという報告は無いが、器官形成期(妊娠12週まで)は、偶発的な胎児異常の発生との識別に関する混乱を招く恐れがあるため、ワクチン接種を避ける。
3.妊婦さんならびに妊娠を希望する方で、感染リスクが高い医療従事者、保健介護従事者、重症化リスクが高い肥満や糖尿病など基礎疾患を合併している場合は、ワクチン接種を積極的に考慮する。
4.妊婦のパートナーは、家庭内での感染を防ぐために、ワクチン接種を考慮する。
5.妊娠を希望される⼥性は、可能であれば妊娠する前に接種を受けるようにする。(生ワクチンではないので、接種後⻑期の避妊は必要ない。)