妊娠糖尿病とビタミンB6
ビタミンB6はすべてのアミノ酸代謝に関与しており、
タンパク質合成に必要な栄養素です。
そのため、胎児を身ごもった妊娠中の女性は、通常よりもこのビタミンの消耗が激しくなります。
娠中に糖尿病と似た症状、いわゆる妊娠糖尿病は、このビタミンB6不足により、
糖代謝が上手くいかないことで起こるのがほとんどのようです。
ビタミンB6は、胎児のタンパク質合成に多く使われ、
主に脳や神経系の機能の健全な発達に不可欠となる栄養素です。
よって、妊婦さんの中ではこのビタミンB6欠乏に陥る人も多いのです。
妊婦さんがビタミンB6欠乏に陥ると、トリプトファン(アミノ酸の一種)の代謝が正常に行われず、
その代謝の中間体であるキサンツレン酸が蓄積されてしまいます。このキサンツレン酸はインスリンと結合し、
インスリンの働きを阻害し、インスリン抵抗性を引き起こします。
(Christina Reginaldo,2015)
実際に、臨床においても、ビタミンB6が妊娠糖尿病を改善したという報告は多々あります。
(Am J Obstet Gynecol. 1977 Mar 15;127(6):599-602など。)
ちなみにビタミンB6を多く含む食材は、にんにく、レバー肉、かつお、ナッツ、ごまなどです。
ビタミンB6はB1の次に不足しやすい栄養素と言われていますので、積極的に摂取したいものです。
妊娠糖尿病について
2010年に診断基準が変更されて、妊婦の8人に1人がなると言われる「妊娠糖尿病」が増えています。
妊娠糖尿病とは、妊娠をきっかけとして血糖値が高くなるなど糖尿病の症状が発生することを言います。
日本産科婦人科学会では、妊娠初期と中期に妊娠糖尿病のスクリーニングをすることを推奨しています。
スクリーニング法には随時血糖や空腹時血糖を用いる方法、および50gブドウ糖負荷試験を用いる方法があります。
スクリーニング陽性であった人には75g糖負荷試験を行い、次の診断基準により診断します。
これまでは75g糖負荷試験において
① 空腹時血糖値 ≧100mg/dL
② 1時間値 ≧180mg/dL
③ 2時間値 ≧150mg/dL
上記の2点以上を満たした場合に妊娠糖尿病と診断されました。
現在では、
妊娠糖尿病:75g糖負荷試験において次の基準の1点以上を満たした場合に診断する。
① 空腹時血糖値 ≧92mg/dL
② 1時間値 ≧180mg/dL
③ 2時間値 ≧153mg/dL
従来基準に比べて空腹時血糖値は低くなり、1点のみで診断されることで、
より厳しく診断されるようになったため妊娠糖尿病患者は急増しています。
妊娠糖尿病になると流産や早産、巨大児出産の可能性が高くなります。
最近下記のような論文も発表されました。
↓以下、引用です。
米国カイザー・パーマネンテ南カリフォルニア病院のアニー・H・シャン氏らの研究グループが、
有力医学誌ジャマ(JAMA)誌において2015年4月14日に下記の報告をしています。
・「妊娠26週までに妊娠糖尿病と診断を受けた母親の子どもは、自閉症のリスクが高いことが分かった」
・「妊娠中の母親の血糖値が高いと、胎児の器官の発達や機能に長期にわたって悪影響を及ぼす可能性がある」
↑以上、引用終了。
これまでの研究で、妊娠前に糖尿病だった人や妊娠中に初めて高血糖が見つかった人の子どもが
肥満や代謝異常になるリスクについて明らかにされてきました。
しかしこのような状態が胎児の脳の発達を防ぐ可能性や神経行動の発達障害のリスクを高める事については、
今までははっきりと示されていませんでした。
妊娠中は排出(解毒)機能が大幅に低減しますので、通常時に健康な方々でも高血糖になりやすくなります。
母体の高血糖は胎児の健康に悪影響を及ぼすので、妊娠中も解毒作用のある、たんぽぽ茶「ショウキT-1」をおススメします。
中医学では、妊娠糖尿病を予防する三原則があります。
・食べ過ぎない
・ストレスをためない
・利水をする
参考になれば幸いです。(^^♪