『糖質の摂取量と男性の精子濃度との関連』
糖質の摂取量と男性の精子濃度との関連 において、2012年に開催されたアメリカ生殖医学会(ASRM)
第68回年次総会で発表された論文を紹介します。
・糖質の摂取量が多いほど男性の精子濃度が低くなる。
ハーバード公衆衛生大学院の研究者らは、ロチェスター大学で健康な男性学生(18~22歳)を対象に、
2009~2010年にかけて、環境中の汚染物質の精子の質への影響を評価するために実施しています。
調査で、食物摂取頻度調査で糖質の摂取量と精液の質との関係を調べました。
糖質の摂取量を4段階に分けたところ、糖質の摂取量が多くなるほど、精子濃度が低くなることがわかりました(49、47、37、35)。
このことから糖質の摂取量と精液中の精子濃度が関連していると結論づけています。
◎糖質制限
日本でも糖質(炭水化物)制限ダイエットがちょっとしたブームですが、そもそも、先進国では糖質、
それも精製度の高い糖質を摂り過ぎている傾向があるようです。
過剰な糖質、すなわち、活動のために燃焼し、消費されなかった分の糖質は、脂肪に変換され蓄えられます。
そのため糖質を制限することが脂肪として蓄えられなくなるばかりではなく、それまで蓄えられた脂肪を分解する働きも
活発になるために有効なダイエット法になるというわけです。
一方、糖質を消費したり、蓄えたりする際に、血糖値の動きとインスリンというホルモンが深く関わっていて、
糖質の摂り方や摂る量によって、血糖値の動きやインスリンの働きが影響を受け、そのことが、直接、卵子や精子の質に関与したり、
生殖ホルモンを通じて、間接的に妊娠する力に影響を及ぼしたりするのです。
そのため、糖質の摂り方や摂る量が不適切になると、妊娠しづらくなってしまうおそれが出てくるというわけです。