アンタゴニスト法について!メリット・デメリットや妊娠率は?副作用と費用は?
排卵誘発方法にはいろいろな方法があります。
今回はアンタゴニスト法について見ていきましょう。
アンタゴニスト法は、ロング法やショート法では
採卵前に排卵してしまわないように
黄体形成ホルモン(LH)の抑制にGnRHアゴニスト点鼻薬を使いますが、
その代わりにGnRHアンタゴニストという
注射を使う方法がアンタゴニスト法です。
点鼻薬は1回に8時間しかLHの抑制が出来ないため
1日3回使用しますが、
GnRHアンタゴニスト製剤は1回の注射で
24時間LHを抑制することができますので
1日1回の注射となります。
点鼻薬以外の排卵誘発剤はロング法やショート法と同じです。
月経3~5日頃
排卵誘発剤の注射(hMG)を開始します。
指定された日に通院、経膣超音波検査をし、
卵胞が14~16mmくらいまで成長したところで、
GnRHアンタゴニストの注射を開始します。
採卵日2日前
夜9~10時頃、卵子の成熟を促進する注射(hCG)をします。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の可能性がある人は、
排卵を促進するhCG注射の代わりに
GnRHアゴニストの点鼻薬を使って
排卵を促進する方法もあります。
排卵誘発の注射とGnRHアンタゴニストの注射は終了です。
その後、排卵となります。
アンタゴニスト法を選択する人はどのような人でしょうか?
アンタゴニスト法は、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を起こしにくいため、
多嚢胞性卵巣症候群の人には最適な排卵誘発法です。
また、ロング法やショート法で採卵前に排卵してしまった人にも適応します。
質の良い卵ができると言われているアンタゴニスト法は
今まで採卵したものの受精しなかったり、
移植できる卵に成長しなかったなど
卵が多く出来過ぎてしまうのに質の良い卵ができなかった人なども
アンタゴニスト法に切り替える場合があります。
年齢が高い人や卵巣機能が低下している人にも勧められる排卵誘発法です。
費用はどのくらいかかるのでしょうか?
ロング法よりも排卵誘発剤の投与量が少ないアンタゴニスト法は
排卵誘発剤の費用は抑えられますが、
点鼻薬の代わりのGnRHアンタゴニスト製剤の注射が高額なため、
最終的にはロング法と変わらない費用がかかります。
アンタゴニスト法の妊娠率はどうでしょうか?
妊娠率は、ロング法とさほど変わらないようです。
病院によっては、ロング法が妊娠率が高いというところありますし
アンタゴニスト法の方が妊娠率が
高いという病院もありますので、どちらも同じくらいの確率なのだと思われます。
アンタゴニスト法のメリット・デメリットはなんでしょうか?
≪メリット≫
排卵誘発剤の投与量が少なく、身体に優しいのがメリットです。
また、ロング法より質の良い卵が採卵できると言われていますし、
OHSSになりにくいことも特徴です。
1日3回点鼻薬をしなければならないロング法やショート法のように
時間を気にしなければならないストレスや煩わしさから解放されることも
メリットのひとつになっています。
≪デメリット≫
GnRHアンタゴニストの注射のタイミングが難しく、タイミングが遅いと
採卵の前に排卵してしまう可能性があり、採卵が中止になってしまうこともあります。
良質な卵はとれる可能性はありますが、採卵数は少なくなる可能性があります。
そして点鼻薬はなくなりますが
GnRHアンタゴニストの注射が始まると排卵誘発の注射もあり、
1日2本注射をしなければならないストレスがあります。
また、GnRHアンタゴニスト製剤自体は高額なため
採卵までの日数が長くなればそれだけ
使用が多くなり費用が高くなるケースもあります。
副作用はありますか?
メリットにもあるように、この排卵誘発法はOHSS(卵巣過剰刺激症候群)
になりにくいと言われています。
しかし、排卵誘発をしていますので育った卵の数によっては卵巣が腫れ、
OHSSになる人も他の排卵誘発法よりは少ないですが、いますので注意は必要です。
GnRHアンタゴニスト製剤は、注射をするとピリピリして痛みを感じる場合があるようです。
また、人によっては注射したところが少し腫れてしまったり、
軽くかゆみやかぶれが出る場合もあるようです。
アンタゴニスト法は、まだ治療が始まって10年にも満たない新しい排卵誘発剤です。
しかし最近は、この排卵誘発法を主流にする病院も増えてきました。
どの誘発方法がよいか、よく医師と話し合って決めましょう。
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