『妊娠中と母乳育児中の食べ方』
- 妊娠したら
たった一個の受精卵が3kgの新生児となって誕生するまで、約280日。
その間、おなかの赤ちゃんは約30億年もの生物進化の過程をたどります。
一日に換算すると1000万年以上!
人の基本的な性質は生まれるまでに50%決まってしまう、というのも、
この数字を見るかぎりでは当然のように思います。
そんな、気の遠くなるようなスピードで進化する赤ちゃんの命綱が、
お母さんからの栄養です。お母さんの食べたものがすべて赤ちゃんの血となり肉を形作り、
体質の基礎をかためていきます。元気な明るい子に育ってもらうために、
妊娠の可能性がある女性は、ふだんから食生活に気を配りましょう。
(赤ちゃんが元気に育つ妊娠中の食事レシピ
長沢千佐子著)
とくに妊娠がまだわからない頃の食べ物が、赤ちゃんの脳や目、心臓、肝臓などおもな臓器の形成や発達に重大な影響を与えます。
お母さんにとってはたった一日のことでも、赤ちゃんにとっては1000万年。一日一日を大切に大切に育んであげてほしいのです。
すこやかな赤ちゃんを産むためにはやはり、穀物がベストです。
あくまでも質のいい血液をつくるのは玄米や雑穀などの未精白穀物です。
食事の割合の半分はご飯にして、あとは旬の野菜や根菜、海藻類を天然醸造の調味料で味付けします。
動物性食品は血液に毒素を残しますので、赤ちゃんにも汚れた血液がいってしまいます。
化学物質汚染の問題も深刻です。ホルモンや抗生物質を投与された肉や牛乳をとると、
その化学毒は赤ちゃんのベッドになる子宮や胎盤に濃縮され、血液を通じて赤ちゃんに悪影響を及ぼしてしまうのです。
これは肉や魚に限らず、着色料や化学調味料、防腐剤などの化学添加物全般にいえることです。
いちばんこわいのが化学物質による汚染ですから、市販のお菓子や加工食品はさけて、この時期だけでも穀物菜食の食事に切り替えましょう。
最近問題になっているダイオキシンなどの環境ホルモン汚染は、穀物菜食をしていればかなり防げることがわかっています。
玄米の米ぬか、緑黄色野菜の葉緑素、野菜や根菜類、海藻の繊維質には、ダイオキシンなどの化学物質や重金属を排泄する作用があるからです。
お母さんの想いも赤ちゃんにとっての食べ物になります。妊娠中はストレスをためこまず、明るく前向きに生活してください。悩んでばかりいると血液が酸化して赤ちゃんにいってしまいます。
余談ですが、穀物菜食をしている人はお産がとても楽です。お産がこんなに大変なものになってしまったのは、肉食をしたり不自然な生活をしているツケなのです。もともとの自然の食、穀物と野菜中心の食事をすることで人間本来の生理や本能が呼びもどされ、自分で産むパワーが自然にみなぎってきます。お産を病院や人任せでない、自分の手にとりもどせるのも穀物菜食の魅力です。