こんにちは
タカキ薬局のタカキです
『体外受精での妊娠はダウン症の確率が上がる?』
クリニックで患者様にカウンセリングをしていると
「体外受精での妊娠はダウン症の確率が上がる?」
とのご質問をよく頂きます。
今回はこのご質問について書きます。
まずはじめに
答えは・・・
体外受精での妊娠によるダウン症の確率は、自然妊娠の時のダウン症の確率と同じです。
すなわち、受精の仕方によってダウン症のリスクが上がるということはないと言えます。
ダウン症のリスクは、卵子や精子の質と関係していることが多いとされています。
受精の仕方に関わらず、ダウン症のリスクを下げるためには、卵子や精子の質を上げる努力をすることが大切です。
1.ダウン症のリスクの高低に、受精の方法は関係ありません
体外受精や人工授精、不妊治療などの情報を得ようとインターネットなどを検索すると、様々な不安をあおるようなリスクについて書かれた内容が見つかります。
その中の1つに
「体外受精での妊娠はダウン症のリスクが高い」というものもあり
目にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
ダウン症のリスクは、実は、体外受精での受精の場合でも、自然妊娠で受精した場合でも大きな違いはなく
受精の仕方によってダウン症が発症するというものではないことが分かります。
不妊については原因が解明されていない部分も多くそのため様々なポイントにおいて誤解されがちな部分があります。
噂がひとり歩きしてしまうことも珍しくないのです。
体外受精による妊娠はダウン症の確率が高いということについても同じことが言えます。
インターネットなどで目にする信ぴょう性の疑わしい内容を信じるよりも
不安がある場合は主治医に直接尋ねてみることをおすすめしてあげて下さい。
生殖医療の医師ならば生殖の仕組みを正しくわかっていますので必ず 体外受精での受精の場合でも自然妊娠で
受精した場合でも大きな違いはなく、受精の仕方によってダウン症が発症するというものではない と答えます。
2.ダウン症のリスクは卵子や精子の質が関係しています
ダウン症は先天性の染色体異常により発症します。
通常よりも染色体の数が多い場合に症状として起こり、ほとんどの場合は通常2本である21番染色体が3本あるという状態です。
他には、染色体が他の染色体と結合してしまっていたり、2本である染色体が1本しかなかったりする場合などもあります。
稀ではありますが一口にダウン症と言っても、様々なタイプがあるのです。
卵子や精子が作られる際に、何らかの異常が起こることが原因ではないかと考えられていますが、染色体がそのような異常を起こす原因を特定するのは非常に難しく、根本的な治療についてもまだ確立していません。
母体の年齢別では、20代では0.1%未満、35歳以降は0.3%、40代では1%程度の割合でダウン症を発症しているというデータがあります。
年齢が高くなる=ダウン症の確率が上がるというよりも、年齢が高くなることで、卵子、精子の質が低下してしまうからではないかという見方の方が、現実に近いでしょう。
ダウン症のリスクの高低は、受精の仕方や年齢よりも、卵子や精子そのもの質が関係していると考えられます。
3.リスクを下げるために卵子の質を向上させましょう
ダウン症の確率は受精の仕方によって大きく違いがでるわけではないため、受精の仕方を変更する必要はありません。
卵子、精子の質が低下することにより、ダウン症のリスクが上がるとされているため、卵子、精子の質を向上させる努力をすることが大事です。
質の良い卵子のためには、まずはホルモンのバランスを保つことが重要とされています。
ホルモンのバランスを保つには、規則正しい生活や栄養バランスの取れた食事など、基本的な生活レベルの向上が関わってくるでしょう。