【不妊症の一般的な検査 ⑥子宮卵管造影 レントゲン撮影について】
卵管の異常による不妊症は、不妊症の原因のなかで最多です。
また、子宮の変形が原因で妊娠しにくくなることや、
流産しやすくなることがあります。
子宮卵管造影検査を一言でいえば、
卵管と子宮の異常を調べるためのレントゲン撮影検査です。
一般的には子宮口からシリコンゴム製のバルーンカテーテルを挿入し、
造影剤と呼ばれる検査薬を子宮腔から卵管へと注入します。
その造影剤の流れをレントゲン透視下で観察し、最後にレントゲン撮影をします。
まんがで読む不妊治療ガイド (塩谷雅英 著) 子宮卵管造影検査より
造影剤には水溶性のものと油性のものがあります。
油性の造影剤に比べ、水溶性の造影剤は短時間で体内に吸収され、体に優しいためです。
体内に入った造影剤は、最終的には腹腔に流れてて散らばるため妊娠の妨げになることはありません。
造影剤に使われるヨードにアレルギーのある方はその旨を伝えるようにしましょう。
子宮卵管造影検査でわかることはとてもたくさんあります。
卵管閉塞、卵管狭窄、卵管留水腫、卵管周囲の癒着など卵管の異常と、その位置。
さらに
子宮腔の形、大きさ、子宮の形態異常、子宮粘膜下筋腫、子宮内膜ポリープなどもわかります。
この検査の後は妊娠しやすくなることが以前から知られています。
卵管の中に詰まっていた粘液のかたまりなどが造影剤の注入に
より取り除かれて、卵管の通りがよくなるためと考えられています。
不妊症検査のなかでも最も痛いと敬遠されがちな検査ですが、
熟練した医師が造影剤の注入を丁寧にゆっくり行えば、
軽い痛みで済むことが多いのも事実です。
ただ、痛みを感じた場合は、それが今後の治療に際に
とても大事な情報となることもあるので、我慢しないですぐに医師に伝えましょう。
子宮卵管造影をすると検査後6ヶ月間は妊娠率が上がる
(特に最初の3ヶ月は妊娠率が2倍)というデータも有ります。
子宮卵管造影はぜひとも受けていただきたい検査です。
参考にして頂けたら幸いです。