「流産の種類について」
と言う内容のご相談をよくされます。
今日は流産について書かせて頂きます。
流産と聞くと、とにかく悲しい気持ちになりますが、全妊婦さんの8%~15%が流産を経験するといわれています。
流産の定義とは、妊娠の早い時期、22週よりも前に妊娠が終わってしまう事を言いますが、その中でも妊娠12週以内の流産が多く、流産全体の98%を占めます。
ですので英ウィメンズクリニックでは患者様が無事に妊娠され不妊専門クリニックから産科のクリニックに転院されるのは妊娠12週目頃までとなっています。(例外もあり・・・)
では流産とはどんなものでしょうか?
流産の分類
流産を大きく分類すると、
切迫流産、稽留流産、進行流産、不全流産、完全流産、化学流産
の6種類に分類します。
切迫流産
女性器の出血や腹痛が合図で、流産の可能性が高まっている状態のことを切迫流産といいます。軽度なものを含めると、初期の段階で20~30%の方が経験しますが、必ずしも流産につながるわけではありません。流産の始まりの症状として気をつけたい状態です。
稽留流産
受精卵や胎児がすでに死亡しているにも関わらず、子宮内に留まっている状態をいいます。症状が出ないため、自覚症状で流産と気づくのは難しく、医師の判断が必要です。 感染症を起こさないよう、手術が必要な場合も多くあります。
進行流産
子宮口が開き、流産が始まってしまうことをいいます。数分のうちに胎児が外に流れ、進行が確定してしまうと止める術はなく、不全流産か完全流産のどちらかになります。
不全流産
不全流産とは、出血があった際に子宮内のものが一緒に排出され、一部が残ってしまうことをいいます。子宮内に一部が留まるため出血が続き、子宮内をきれいにするための手術が必要になります。陣痛のような強い腹痛を伴います。
完全流産
完全流産とは、子宮内のものがすべて流れ出てしまうことをいいます。こちらも陣痛のような強い腹痛があり、大量の出血を伴います。
化学流産
化学流産とは受精はして妊娠検査薬で陽性が出たものの、着床が長く続かなかった状態をいいます。妊娠が確定しているわけではないため、医学的に流産と分類されるわけではありません。
妊娠12週以前に起きる流産は、胎児の染色体異常が主な原因で、妊婦さんの努力では防ぐことが難しいといわれています。