【2021年妊活・不妊治療アンケート】
92.7%が不妊治療の保険適用拡大に賛成!
約4人に1人が今年第2子以降の妊活・不妊治療をすると回答
育児アプリ「ninaru baby」が集計した結果です。
背景には厚生労働省が、2022年度に不妊治療の保険適用を拡大する方針を示してたことが関係しているようです。
保険適用開始までの措置として、今年の1月から不妊治療の助成金が
拡充されました。
いまや不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は約5.5組に1組と言われ、赤ちゃんの16.1人に1人が不妊治療により生まれてきています。
さらにコロナ禍により、2020年1〜10月の妊娠届出数は前年比5.1%減(※3)となり、今年の出生数の低下も懸念されています。
調査に関してはアプリ利用者775名に
「ninaru baby調べ」としました。
結果として
92.7%が不妊治療の保険適用の拡大について「賛成」。
40.8%が妊活・不妊治療に対するサポートが「増えている」と感じている。一方で、28.3%は「増えていない」と感じている。
約4人に1人が今年「妊活・不妊治療をする」と回答。
コロナ禍の妊活・不妊治療でもっとも不安なのは「感染時の胎児への影響」。
必要なサポート1位は「給付金や金銭面での支援」。「正しい情報の発信」と「職場理解」も多く求められている。
「ニュースで見かけるようになった」「自治体の取り組みが感じられる」という意見がある一方で、「職場の理解が足りない」「社会的に認知されておらず、まわりにも話しづらい」といった意見も。国の政策に限らず、一人ひとりの理解促進や職場における休暇制度の整備など、個人や企業単位で出来ることはまだまだたくさんありそうです。

<「とても感じる」「少し感じる」を選んだ理由>
・私が不妊治療をしていた5年前に比べたら助成金の面が改善されていると思う。また、不妊治療の職場内の理解も得られやすくなったように感じる。
・自分の妊活には間に合わなかったが、保険適用拡大の方向になって良かった。しかしまだまだ支援は足りていないと思う。
・不妊治療中の方への対応(休業等)を行う企業が増えてきた、というニュースを見たため。
・不妊治療について発信する人が増えたことで、これまでよりは認知されるようになってきたと思う。
・特別なことではなくなっている。自治体によっては費用補助やコミュニティ作りなどがある。
<「あまり感じない」「全く感じない」を選んだ理由>
・治療院はとても混み合っており、時間的な投資も大きい。周囲の理解がなければ継続できず、治療中はどこか肩身の狭い思いをすることになってしまう。
・仕事をしながらの不妊治療は困難。経済的・精神的不安が思っている以上にある。
・妊活中であることを上司に伝えづらい。仕事を任せてもらえない不安がある。
・精神的に辛い思いをする人が多いので、メンタルケアもセットでサポートするのが望ましい。
・子どもは自然に出来るものという考え方が世間の主流に感じる。
約4人に1人が今年「妊活・不妊治療をする」と回答。
アンケートを実施したのは育児アプリ「ninaru baby」内のため、第2子以降を希望している方の回答となりますが、26.1%の方が今年「妊活・不妊治療をする」と答えました。
そのうち83.8%の方が「年齢を考慮すると延期したくなかったから」と回答。
コロナ禍で感染のリスクがあるから延期する、とすぐに結論を出せる問題ではないことがうかがえます。
一方で、割合としては少数ですが「しばらく延期する」「やめることを検討/やめる」と答えた方が13.1%となりました。
そのうち「その理由に新型コロナウイルス感染症が関係していますか(はい/いいえ)」の質問に「はい」と答えたのは29.7%。
この結果からも、妊活や不妊治療を延期したり、やめるという結論に至るには、その他多くの理由が存在することが垣間見られる結果となりました。

コロナ禍の妊活・不妊治療でもっとも不安なのは「感染時の胎児への影響」。
今年妊活・不妊治療をする方に、コロナ禍で不安な点を聞きました。もっとも多かったのは、「感染時の胎児への影響」。
ママ自身やパートナーの感染についての不安も多かったものの、その先にあるお腹の赤ちゃんへの影響をもっとも不安視する声が集まる結果となりました。
無事に妊娠したとしても、不安な想いを抱えたままの妊娠期間となることが予想されます。
また、「平常時のような妊娠・出産がのぞめないこと」については、定期検診時の付き添いや出産の立ち会い、入院中の面会を制限している病院も多く、一度出産を経験している「ninaru baby」のユーザーでも、多くの方が不安を感じていることがわかりました。
このことから、初めて出産する方も同様に、コロナ禍における妊娠・出産に多くの不安を抱えていると考えられます。あらためて、その不安に寄り添うことの大切さに気付かされる結果となりました。

必要なサポート1位は「給付金や金銭面での支援」。
「正しい情報の発信」と「職場理解」も多く求められている。
不妊治療の保険適用拡大で9割もの賛成があったように、こちらの質問でも多くの方が経済的な支援を望んでいることがわかりました。
不妊治療をしたことのある方に実際に治療でかかった費用を聞いたところ、35.6%の方が100万円以上と回答。
日本は不妊治療患者の平均年齢が世界的に見ても高く、その分高額な治療費がかかってしまう傾向にあります。
妊娠、出産、育児といったフェーズでも経済的負担があることを考えると、多くの方が金銭的な不安を抱えながら妊活・不妊治療に取り組んでいることがうかがえます。
また、「正しい情報の発信」や「職場理解」という回答も多く集まりました。コロナ禍でどれが正しい情報なのか悩んだり、周囲の妊活・不妊治療に対する理解が深まらず、仕事との両立に苦労していたりする方が多いのかもしれません。
日本は先進国の中でも男女ともに妊娠や生殖に関する知識が不足していると言われています。
いま妊活・不妊治療をしている方へのサポートと同時に、若い世代に向けても、これらの理解を深めていくための情報発信が必要なのかもしれません。