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『男性の年齢と精子DNA損傷の関係』

さて今回は患者様から良く質問がある『男性の年齢と精子DNA損傷の関係』についてです。  

 

『男性の年齢と精子DNA損傷の関係』

 

男性の年齢が高くなるほど、個人差が大きいものの精液中に損傷した

DNAを持つ精子の割合が高くなり、その傾向は男性不妊であろうとなかろと

変わらないという研究報告がアメリカからなされています

 

◎精子のDNAが損傷を受けると精子の質が低下する

主に酸化ストレス(活性酸素のダメージが体に備わった防御力を上回っている状態)

によって、精子のDNAが損傷を受けるのですが、DNAに損傷を受けた精子が

多くなると胚盤胞到達率や妊娠率が低下したり、流産率が高くなることが知られています。

 

損傷したDNAを持つ精子の割合のことを精子DNA断片化指数(DFI)と呼ばれています。

 

◎どんな研究だったのか

 

研究は、不妊クリニックに通院する男性25,445名と男性不妊でない男性87名からて

提供してもらった精液の精子DNA断片化指数を測定し、

年齢別グループ(20-29歳、30-39歳、40-49歳、50-59歳、60-80歳)で比較しています。

 

◎どんな結果だったのか

 

20代、30代、40代までは差はありませんでしたが、

50代、60歳以上は統計学的に有意な差で上昇することがわかりました。

 

また、男性の年齢とDFIの関係をみてみると年齢が高くなるほどDFIが高くなりますが、

上昇度合い(グラフの傾き)は、41.6歳を境に大きくなることもわかりました。

 

さらに、それらの傾向は男性不妊患者でも、そうでない男性でも変わらないこともわかりました。

 

◎DFIと妊娠率の関係

 

実際、DFIが人工授精の妊娠率にどれくらいの影響を及ぼすかと言いますと、

男性のDFIが0-9.9%、10-19.9%、20%以上、30%以上の妊娠率は、

それぞれ、28%、26%、10%、5%とDFIが高くなるほど妊娠率が低くなり、

DFIが20%から25%に5%上昇すると妊娠率が50%低下するという報告がなされています

 

◎年齢の影響は女性だけではない

 

今回の研究で男性も年齢は高くなるに従って、精子の質が低下し、

治療成績にマイナスの影響を及ぼす可能性があるということがわかりました。

そして、それは40歳を超えると顕著にあらわれるようです。

 

DFIの主因とされている酸化ストレスは喫煙や多量の飲酒、

ストレス、肥満、食生活、不規則な生活、激しい運動などが

招くことが知られていますが、40歳を超えると、

不健康な生活習慣に対する抵抗力が低下し、まずは、精子の質を損なうようです。

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皆さんの心に寄り添って

 私は漢方の「養生6割漢方4割」という考え方がとても好きです。主役は皆さんの持っている「健康になる力」。お薬やサプリメントは、その力を助けて延ばす助っ人です。  この二つの力を結びつけるのが、カウンセリングを中心とした相談です。これからも柔らかな心で、皆さんの声を聴きながら寄り添っていきたいと思っています。どうぞお気軽にいらしてください。

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