「禁欲期間が顕微授精の妊娠率に影響するか?」
禁欲期間については 期間を置いた方がいいのか
それとも置かない方がいいのか? 結構まちまちですね。
アメリカやインドにて論文が発表されましたのでご説明致します。
2011〜2015年に顕微授精(ICSI単独あるいはsplit ICSI)を実施した1030周期を対象に、
男性の禁欲期間(2〜7日、8日以上)と妊娠成績を比べました。
有意差のみられた項目は下記の通り。
禁欲期間 2〜7日 8日以上
直進運動率 36.7% 30.6%
出産率 34.1% 24.1%
着床率 26.4% 18.2%
臨床妊娠率 44.4% 32.7%
なお、受精率、流産率には有意差を認めませんでした。
男性の禁欲期間2〜7日と8日以上では禁欲期間2〜7日が有意に高くなりました。
さらに禁欲期間2〜4日と5〜7日に分けサブグループ解析を行なったところ、
禁欲期間2〜4日の場合に禁欲期間5〜7日以上と比べ出産率が有意に高くなっていました。
禁欲期間2〜4日 5〜7日
(36.1% vs. 24.1%)
WHO精液検査マニュアルによると、男性の禁欲期間は2〜7日で検査を行うべきと記載されています。
これはあくまで検査であって、体外受精の際に理想的な禁欲期間は明らかにされていませんでした。
この論文は、男性の禁欲期間と顕微授精の妊娠成績を検討したところ、
禁欲期間2〜7日が良好(特に禁欲期間2〜4日が良好)
であることを示しています。
これまでに、ありそうでなかった興味深い研究です。
男性因子が妊娠成績に影響するのは決して少なくないので、もっと真剣に男性因子を考慮すべきとしています。
ご参考までに(^^♪
引用元:
Fertil Steril 2017; 108: 952(米国) doi: 10.1016/j.fertnstert.2017.09.003
Fertil Steril 2017; 108: 988(インド)doi: 10.1016/j.fertnstert.2017.08.034