さてコーヒーの話題 第三弾です。
「コーヒーを飲むと精子が良くなるって本当ですか?」という質問から
・男性のコーヒー飲みすぎは、精子のDNA損傷リスクなどの要因から妊娠に悪影響を与える可能性がある。
と言うことです。
まずカフェインの摂取と精液所見の関係を見てみましょう。
上の方がコーヒーで下二つがコーラで調べています。
太字になっているところが、統計学的に差があった部分になりますが、
コーヒーはほとんどの報告で影響がない事が分かります。
これ以外にも4つほど報告がありましたが、すべての項目で有意差なしでした。
ただ、2つだけコーヒーの摂取が運動率を上げるという報告がありました。
一方、コーラでは多く摂取するほど精子数を下げるという結果が見て取れます。
ただコーヒーでこのような変化が報告されていないところを見ると、
カフェインの影響というよりもコーラに含まれる砂糖やコーラと
一緒に食べるジャンクフード類が問題となっているのではないかと思われます。
続いて、DNAの損傷について調べています。
これも報告によって結果はまちまちですが、コーヒーの摂取により精子の染色体異数性が
やや増加したという研究があり、喫煙や飲酒といった要素で補正しても影響はあると報告されています。
DNA損傷に関してはコーヒーと関係ないという報告とコーヒーを毎日飲んでいた方が
DNA損傷を認めたという報告が混在していますが、
コーヒーを飲んでいた方が良かったという報告は無いようです。
最後に決められた期間内での妊娠率ですが、コーヒーを1日3-7杯飲む人は、3杯以下の人に比べて0.8倍、
8杯以上飲む人は0.6倍であったという報告や3杯以上飲む人は0.85倍であったという報告があり
、男性のコーヒーの飲みすぎは妊娠までの期間を延長させるという報告が多くなっています。
とはいえ研究によってばらつきがあること、影響あると言われる量がかなり多い量からであることなどから、
それ程気にしなくても良いのではないかと思います。ということで、アルコールと同様に、
・コーヒーは適量に(1日3杯まで)
くらいの感じで考えていただければいいのではないでしょうか。
参考文献Coffee and caffeine intake and male infertility: a systematic review
(コーヒーとカフェイン摂取が男性不妊に与える影響:システマティックレビュー)